香りの輪郭
商品ページに記載している香りの表記は「Citrus, Tropical/Fruit」です。各社の資料では、もう少し細かく表現されています。

香りの強さを支えているのが、オイルの多さです。育成に関わる Yakima Chief Ranches は総オイルを2.2〜2.8 ml/100gとしており、The Oxford Companion to Beer はこれを「カスケードのおよそ2倍」と説明しています。当社ロットの総オイルは2.7 ml/100gです。
投入タイミング別の使い方
Crosby Hops™ は、Citraを「レイトアディション、ワールプール(ホップスタンド)、ドライホップに最適」としています。一方で The Oxford Companion to Beer は、α酸が11〜13%あるため、アロマホップでありながら苦味付けにも使えるとしています。
| タイミング | 向き | 根拠と考えかた |
|---|---|---|
| ボイル序盤 (60分) |
○ 使える | α酸は当社ロットで12.4%。コフムロンは米国植物特許で22〜24%と記載され、特許では「高α酸・低コフムロン」の組み合わせが特徴として挙げられています。The Oxford Companion to Beer も、苦味付けに使える品種としています。 |
| ボイル終盤 (10分〜0分) |
◎ | Crosby Hops™ が挙げる「レイトアディション」にあたります。 |
| ホップスタンド (ワールプール) |
◎ | Crosby Hops™ が挙げる用途です。 |
| ドライホップ | ◎ | Crosby Hops™ が挙げる用途です。 |
The Oxford Companion to Beer は、Citraをドライホップに使うと、カシスのような「キャティ」な香りが出ることがあると記しています。狙う香りと合うかは、試作の段階で確認してください。
相性のよいビアスタイル
| スタイル | 根拠 |
|---|---|
| IPA | Crosby Hops™ の推奨スタイル。The Oxford Companion to Beer も、ペールエールとIPAで特にはっきりした役割を持つ品種としています。 |
| NEIPA (ヘイジーIPA) | Crosby Hops™ の推奨スタイルです。 |
| ダブルIPA | Crosby Hops™ の推奨スタイルです。 |
| ペールエール | Crosby Hops™ の推奨スタイルで、The Oxford Companion to Beer も挙げています。 |
組み合わせるなら
Crosby Hops™ は、Citraと組み合わせる品種として次の4つを挙げています。いずれも当社の取扱品種です。
在庫の状況は品種によって変わります。最新の取扱いは商品一覧でご確認ください。
この品種の背景
Citraは、John I. Haas と Yakima Chief Ranches の合弁会社 Hop Breeding Company が育成し、2007年に発表した品種です。米国植物特許(PP21289)によると、交配は1990年にワシントン州ヤキマバレーで行われ、1992年に1株が選抜されました。
The Oxford Companion to Beer によると、Citraという名前は柑橘(シトラス)のような香りにちなんで付けられました。もとは育成番号の「HBC 394」と呼ばれていた品種です。
同書によると、血統はおよそ Hallertauer Mittelfrüh 50%、US Tettnanger 25%、Brewer's Gold 19%、East Kent Golding 3% という構成です。
鮮度と保管について
Yakima Chief Ranches の資料では、Citraは20℃で6か月保管したときのα酸の残存率が75%とされています。常温に置くと、半年で4分の1のα酸が失われる計算です。
当社は冷凍コンテナでの輸入 → −18℃冷凍倉庫での保管 → 冷凍便での配送で取り扱っています。
お手元に届いた後も、冷凍で保管してください。一回で使い切れない場合は、圧着して密閉してください。
Citra® HBC 394 を購入する
5kg/袋。現在ご購入いただけるのは2025年クロップです(2024年クロップは完売、2026年10月19日時点)。
よくある質問
ロットが変わると数値も変わりますか?
変わります。ホップは農産物で、収穫年・圃場・その年の天候によってα酸も総オイルも動きます。Citraの規格値も、Crosby Hops™ はα酸11〜14.3%、Yakima Chief Ranches は11〜13%と幅を持たせています。レシピを固定して運用される場合は、ロットごとの分析値に合わせて投入量を補正してください。
Citra単独でビールを組めますか?
苦味付け(The Oxford Companion to Beer)から、レイトアディション・ワールプール・ドライホップ(Crosby Hops™)まで使える品種なので、1品種で全工程を担わせる設計も可能です。香りに変化をつけたい場合は、上の「組み合わせるなら」で挙げた品種を重ねる方法があります。
T90ペレットとクライオ製品はどう使い分けますか?
現在、当社ではCitraのクライオ製品は取り扱っていません。一般に、ルプリンを濃縮したクライオ製品は植物質が少なく、たとえば Crosby Hops™ はCGX™について「T90の最大2倍の力価があり、植物質が少ないぶんビールのロスが減る」としています。なお、Citraには、ペレットのほかにホップオイル(Abstrax Tech™「Quantum Series - Citra®」)という形態もあり、当社でも取り扱っています。ペレットとの違いや使い方は、ホップオイルの解説記事(準備中)で紹介します。